イノシシや鹿とぶつかったら?知っておきたい自動車保険の話

こんにちは。
マネリブ おひとり様応援隊員の竹内です。
ここ数週間、
連日のように全国各地で
クマの出没が報じられています。
今年は異常気象の影響で、
ブナやどんぐりなど、
クマの餌となる木の実が不作となり、
やむを得ず人の生活圏まで食べ物を求めて降りてきているそうです。
実際に被害に遭われた方も、
例年になく多いとのこと。
非常に心が痛む出来事ですが、
人の安全と野生動物の生存、
その両方を思うと複雑な気持ちになります。
一日も早く、
人にとってもクマにとっても
安心して暮らせる環境が戻ることを願うばかりです。
さて今回は、
「車と動物との事故」に関する保険のお話です。
自動車保険を取り扱う中で、
これまで何度かお客様からお伺いしたのが、
鹿やイノシシと衝突してしまったという事故。
山間部だけでなく、
市街地近くでも起こり得る身近なトラブルです。
動物は法律上「モノ」として扱われる
日本の法律では、
人以外の動物は
「財物」
つまりモノとして扱われています。
そのため、
動物をはねてしまった場合、
状況によっては
対物賠償保険が適用されるケースもあります。
ちなみに、
これまで私が受けた事故報告では、
衝突後に動物はそのまま走り去ってしまった、
というケースがほとんどでした。
一方で、
ご自身の車の損害については
車両保険が関係してきます。
一般型(フルカバー型)の車両保険であれば、
動物との衝突による損害は原則として補償対象になります。
ただし、
車両保険に加入していれば
必ず補償されるとは限りません。
限定型(エコノミー型)や
「車対車+A」タイプの場合、
動物との接触事故が補償対象となるかどうかは、
保険会社や商品内容によって異なります。
詳細については、
加入している保険の代理店や保険会社に
確認されることをおすすめします。

※車両保険の範囲(限定タイプでも動物の接触による損傷対象となる保険会社の例です)。
ペットもまた「モノ」として扱われる現実
鹿やイノシシといった野生動物だけでなく、
私たちの身近にいるペットも、
法律上は同じく「モノ」として扱われます。
ペットは家族同然の存在であるからこそ、
こうした扱いに違和感を覚える方も少なくないでしょう。
これは自動車保険に限らず、
火災保険においても同様で、
ペットは【家財】として位置づけられています。
ただ近年、
「動物福祉」や「伴侶動物」という考え方が広まり、
法律のあり方を見直そうという声も高まっています。
欧州では
「動物は感覚を持つ存在である」
と明記している国もあり、
日本でも少しずつ議論が進められているようです。
保険の分野でも、
ペット保険を中心に
「家族としての存在」を前提とし、
通院・入院・手術費用などを補償対象とする商品が増えてきました。
動物が大好きな私としても、
私たちに癒しを与えてくれる命ある存在が、
もっと手厚く、平等に守られる社会になってほしいと感じる今日この頃です。

